私の価値観を大きく変えた、イヌイットの人達の生活リズム

堂本暁子千葉県知事 |
若い頃、北極に行って、私の価値観は大きく変わりました。イヌイットの子供達が、夜中の3時でも、元気にキャッチボールしているんです。北極では年の半分は、夜も真昼のように明るくて、それが、イヌイットの人達にとっての自然のリズムなんです。だから、倫理でいう宇宙のリズムというのは、本当に日本でのリズムなのですね。
そして一番驚いたのは、誰かが黙って家に入って来ても、気にしない。来た人の分まで、食事を出します。これは後でわかったのですが、ブリザードが来た時に、とにかく一番近い家に逃げ込まないと死んでしまうから、ということなんです。ブリザードが収まらなければ、時には半年近くも他人の家の中で過ごさなければなりません。だから、イヌイットの人達にとっては、それが生きる術で、魚が採れると、家族であろうとなかろうと関係なく分ける。もう、皆が家族で、他人が他人ではないんですね。
これは、平和で自然に恵まれた緯度に住んでいる私達日本人の価値観では、分からなかった。世界の人達は全く違う価値観で生きている。それは、自然が違うからなんですね。
そう考えると、倫理法人会は非常に日本的だと思いますし、また日本的であるべきだと思います。日本の自然、伝統文化、精神をいかに大事にしていくか。
西洋文明が世界を覆っているけれど、せいぜい100年ですよね。まだ、両親や祖父母が持っていた、日本人の伝統文化や精神が宿ったDNAを、私達はちゃんと受け継いでいるはずです。倫理法人会は、そういったものを呼び起こす場なのかもしれないですね。