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2度、倫理に参加された堂本暁子知事が
栞を片手に、寒竹会長と対談!


◎はじめに
寒竹会長:今日は朝早くからありがとうございます。昨年12月8日の千葉県倫理法人会経済シンポジウム、そして先月の美浜区倫理法人会モーニングセミナーと本当にありがとうございました。
堂本知事:こららこそ、ありがとうございました。
寒竹会長:知事とあれだけ近い距離で、直接お話できる機会はなかなかありませんので、皆非常に喜んでいました。朝食会の終わりに知事に、「今度は逆に、経営者の声を聴く立場で参加を」と仰っていただきましたので、ぜひ来期はその場を設けさせていただきたいと思っております。
 今までに2回、倫理法人会にお越しいただき、倫理がどのようなものか大体お分かりいただけたと思いますが、倫理の率直な印象をまずお聴かせください。

◎モーニングに参加されて
堂本知事:一つは、モーニングセミナーに、経営者の方が毎週一回、朝早くから参加されるというのは、相当大変なことだろうなということです。私も5時半には起きて、朝の時間を色々と楽しんではおりますけれども、出かけるのはもっと遅い時間になりますので。早起きは、倫理法人会の理念の一つという気が致しました。
 昔から、「早起きは三文の得」といいますが、今は電気があって、お店も遅くまで開いていて、テレビも24時間やっている。人間にとっての24時間が、ある意味では自然の循環から外れてしまいましたよね。日本は、春夏秋冬の四季があり、一日の昼と夜の時間のバランスにも恵まれていて、それが日本文化の基礎になっています。モーニングセミナーが始まる朝6時というのは、鳥が起き、人が起きる、ごく自然な時間です。日本の自然の循環のリズム、森羅万象全ての生きるリズム、こういったリズム感を大切に早起きをして、志を同じくして集まって、気持ちを引き締めて一日をスタートし、それぞれの経営者がそれを会社に持ち帰られるのは、素晴らしいことだと思いました。

◎栞11条 万物生成
堂本知事:もう一つは、この『万人幸福の栞』です。読んでみると、私達が失ってしまったものが、いくつもいくつも出てくる。「今日は最良の一日」ということはよく聞きますが、他にも夫婦のことや子供と親の心のことまで書かれています。親子や家族の関係が失われつつある今、私達が強く意識する必要があることを、思い起こさせてくれます。
 この前、美浜区倫理法人会で読まれた「11 物はこれを生かす人に集まる」ですけど、日本人は本来とても質素で、自然を上手に使って、その循環を自分たらの生活に取り込んでいました。美しい里山や水田のように、非常にレベルの高い形で自然の中に溶け込んで、何も物を無駄にしなかった。ペットボトルが高速道路や田んぼに捨てられているのを見ると、悲しくなりますね。この11条の最後の文章は、本当に素晴らしいと思います。「物はこれを愛する人によって産み出され」、これは、花とか自然のものだけではなくて、自分達が使っている家具も、愛されて作られたものは幸せだし、大切にする人のために役に立って、「これを生かす人に集まってくる」。本当にそうだろうと思います。物は、生きているとは言い難いけれど、生きているかもしれない。物というのは象徴的な言い方で、ここにはとても深い哲学が込められていると思います。自分達の有限な資源をどう大事にしていくか、私達日本人はもっと考える必要があります。

◎栞17条 人生神劇
堂本知事:そして、「17 人生は神の演劇、その主役は己自身である」。これも本当にそうだろうと思います。「宇宙の生命、統一の中心、万象の根源」、人間というものは、これをどれだけ意識しているかによって決まると思います。地球は太陽の惑星の一つですが、唯一水があり、ここで40億年近く前に生命が誕生したのは、本当に神秘です。しかも私達の細胞は、生命が誕生した頃の単細胞生物の細胞と、そんなに変わっているわけではない。脈々と現代まで受け継がれているわけです。その地球の歴史に比べれば、人間の歴史はごく最近のものでありながら、私達は地球の中で育んできた生命に対して、とても鈍感に、傍若無人に振る舞ってしまっているのではないでしょうか。
 「宇宙の生命、統一の中心、万象の根源」、常日頃忘れているこういったものにもう少し敏感に生きれば、人間はもっと謙虚になれると思います。倫理は、人間の生きることの本質に対して敏感で変る人の集まり。最初は懇親目的で参加しても良いと思います。毎回この栞を読むうちに心が養われて、そういうことに対してだんだん敏感になっていく。ですから、社会貢献や切瑳琢磨するグループはたくさんありますが、倫理は非常に日本的な、日本で生まれたグループで、もっと大きく言えば、東洋的な思想に基づいたグループという印象を受けました。

◎17条こそが倫理の神髄
寒竹会長:知事が仰ったように、宇宙には法則があり、朝、陽が昇ると同時に活動を始めて、陽が沈むと同時に寝る。この宇宙の法則に従った生活ができないから、色々な歪み、病気や苦難が生じるというのが、まさに倫理の根本原理です。
 ですから、知事が目次をパラパラっと見ただけで17条を選ばれたことに、私はとても驚いています。この「人生神劇」こそが倫理の神髄で、創始者はここから書き始めて、残りを加筆して栞を完成させました。経営者がこの法則を勉強し、自分の実生活や仕事に生かす、これが倫理法人会で、宗教とは明らかに立ち位置が違うわけです。
堂本知事:物質文明というのは、そういうものに対する慄(おのの)きを減らしました。災害が起きれば堤防、怪我をすれば救急車というように、宇宙や自然といったものを意識するような、精神的なものが失われてしまっています。社会資本の整備は大事ですが、難しいことに、便利になればなるほど万物の持つリズムや本質からどんどん遠ざかり、遮断されていく気がします。
 私は近代文明を否定する者ではありませんが、きちんと本質を求めるという点で、倫理法人会は現代社会の中でキラッと光る存在です。こういったことは、学問のように学ぶという種類のものではないと思います。赤ちゃんの時から、家庭の中で感じて、身につけてくるような育ち方ができたら、家庭も安心で豊かでしょう。だから、11条も他の夫婦や子供の章も、17条に直結していますよね。それで、17条から書き始めて、それを具体的に他の章に落としていったのかなと。この1冊は、そう読めますよね。

◎会社よりまず、夫婦・家庭

吉田事務長
吉田事務長:すごいですよね。目次を見ただけでそこまで分かってしまうとは。毎週やっていても、なかなかそこまでは(笑)。栞には、人それぞれ自分の好きな章がありましてね、私は13条の「反始慎終 本を忘れず」にある、「ほんとうに、父を敬し、母を愛する、純情の子でなければ、世に残るような大業をなし遂げる事はできない」が好きです。
藤橋広報委員長:経営者の会ですので、最初は倫理を学べば会社の経営が良くなるだろうと、入会する方がほとんどですが、本質はもっと深い所にあります。会社より先に、まず、人間関係の最少単位である夫婦、そして家庭が大事です。今は、親が子を本気で叱れないなど、家庭内の教育が崩れ、自分本位の人間に育ってしまうから、色々な問題が生じます。倫理の本である、人間としてどのように生きていくべきかという教育を、もっと広めていかなければ。倫理「法人会」ですが、まず大事なのは家庭なのです。

◎出前朝礼は大きな入会特典

藤橋広報委員長
吉田事務長:経営者が学び、それをどう具体的に実践に落としていくかということでは、倫理法人会では、会員企業を訪問しての朝礼指導「出前朝礼」に力を入れています。いすみ鉄道でも、皆で気を引き締めて心を一つにするような区切りがなかったので、社員の方には最初は少し違和感もあったと思いますが、今では必ず8時40分に朝礼を行うようになりました。
堂本知事:朝礼は、とても良いことですね。なかなか倫理法人会でやっていることを会社に落とし込むのは難しいとは思いますが、経営者がきちっとした企業理念・信念を持って、それを会社に植え付けていく姿勢が、まずとても大事なのだと思いますね。

◎倫理は今の時代に適う
堂本知事:この前美浜区倫理法人会でも申し上げたように、今は国際化ではなく世界化の時代です。県内の農業・漁業が原油価格の高騰で大きな打撃を受けていますが、アメリカのサブプライムの影響のように、景気も、また環境問題も、日本や地域で対処できるレベルを超えた大きな力学がはたらいています。 世界化が進む今、千葉県もアイデンティティ、千葉主権を確立していかなければ、足下を見失ってしまうわけですが、地域の活性化には、中小企業が元気になることが不可欠です。最近、大企業でも地域との連携を取る動きが出てきていますが、中小企業は、地土或の人が多く働いていて、地域の生活の基盤を支えているという意味で本当に地域そのものです。ですから、中小企業が元気になれば地域も活性化する。地域が活性化すれば中小企業も元気になる。この相乗作用を生み出すために、県も「中小企業元気戦略」で、様々な試みを続けています。このような低成長で、循環型社会が求められる今の時代に、まさに倫理は合っていますよね。
吉田事務長:青年会議所にしても、ライオンズやロータリーにしても、景気が悪くなると会員数が減る傾向にあるようです。ところが倫理は逆に、経済が伸びている時にはだめで、こういう時代になると会員数が増えてきます。
堂本知事:それはやはり、本質に向かっているからでしょうね。余裕があったら行く所ではないんですよ(笑)。逆に余裕がなくても、いかに参加し続けられるかが、大事なのだと思います。

◎今こそ地球倫理の実践を
堂本知事:今は、環境問題を抜きにしては語れない時代になりました。燃料価格の高騰が問題になっています。化石燃料は有限だけれど、それに代わるエネルギーの開発が追いつかないわけですが、恐らくもっと深刻なのは、食糧です。このまま温暖化が進めば、水が不足する。気候が荒々しくなってくる。既に何分かに一人が餓死している国もある中で、作物はさらに取れなくなるのに、世界の人口は幾何級数的な速さで増えていく。国連では、私達人間が二酸化炭素を排出してオゾン層に穴を開けてしまったために温暖化が進んでいることが、立証されました。本当に私達人間一人一人が、それを食い止めない限り、自滅の方向に進んでしまうわけですから、世界の63億人皆がそれを意識して、エネルギーを無駄にしないことが大事です。
 倫理の考え方に話を戻せば、自然の生き方をすれば、夜通し電気を付けることもなくなるでしょう。もう6年の間に、二酸化炭素を減らさなければだめなんです。ですから企業も、経済効果を上げながら環境を守る、あるいは環境自体をビジネスにする、これからは環境がベースになることは間違いありません。

◎県の制度を倫理で紹介!
堂本知事:先日、北海道から視察に来た人に、「うらやましい」と3回言われました。「うちの県が雪で何もできない時期に、千葉ではあれも取れる、これも取れる。本当にうらやましい」と。
 干葉は気候にも恵まれていますが、世界化が進む中、多様な価値観がたくさん入ってきて、皆が生き生きと、自分の個性に合わせた生き方をします。重工業もあれば、農業・漁業もある。都市もあれば、過疎もある。食料も様々。DNA研究所があれば、学園都市もある。成田空港を中心に、国際的なものも入る。成田は単なる外国へ行く飛行場ではなく、貨物や物流のアジアの拠点です。千葉は、時代の先を読めば、中小企業にもビジネスチャンスがたくさんあると思います。
 ただ残念なのは、埼玉県に比べると、まだ、中小企業の足腰・底力が弱い。というのは、景気の悪い時の倒産件数が、千葉県は多いんです。景気が悪くても、倒産しないような強さを身につける、そういった勉強ができる倫理法人会であってほしいと思います。その辺りは寒竹さん、いかがでしょうか。
寒竹会長:基本的には原理・原則を中心に勉強していますが、確かに今後はそういったことも必要でしょうね。
堂本知事:県は、「中小企業元気戦略」で、中小企業を様々な形で支援する制度を、皆さんの税金で整えています。中でも、皆さんにとって特に大事なのは融資だと思いますが、まだまだ浸透していなくて、去年もあまり借りていただけませんでした。
 そこで、たとえば、県の制度の活用の仕方を倫理で紹介するのはいかがでしょうか。倫理法人会はそういったことを広める最高の場だと思いますし、会員さんにとっても親切ですよね。それが会の目的ではないにしても、原理・原則をやった最後の5分でも、そういうことを説明する時間を設けたり、パンフレットを置いておくだけでも、違うと思います。
寒竹会長:そうですね。昨年の経済シンポジウムのように、行政の方をお招きして、そういった制度の活用の仕方を広めていくということを今までやってきていないですから、会員サービスの一環として、もっともっとやっていかないといけないですね。
 知事が仰る通り、最後の連絡事項の中でもできるでしょうし、マンスリーやホームページに載せることもできますね。会員サービスの一環として、ぜひやっていくべきですよね。
堂本知事:インターネットを使わない手はないですよね。県も、もっともっと使いたい。どうやったらもっと活用できるかを考えています。
吉田事務長:今年はホームページやプログなど、インターネットの活用を積極的に行っています。県の制度紹介も載せられれば、益々充実してきますね。
寒竹会長:本日はお忙しい中、ありがとうございました。
堂本知事:ありがとうございました。

(広報担当 渡部 成夫)

〜これを機会に、栞をもう一度通して読もう〜


私の価値観を大きく変えた、イヌイットの人達の生活リズム

堂本暁子千葉県知事
 若い頃、北極に行って、私の価値観は大きく変わりました。イヌイットの子供達が、夜中の3時でも、元気にキャッチボールしているんです。北極では年の半分は、夜も真昼のように明るくて、それが、イヌイットの人達にとっての自然のリズムなんです。だから、倫理でいう宇宙のリズムというのは、本当に日本でのリズムなのですね。
 そして一番驚いたのは、誰かが黙って家に入って来ても、気にしない。来た人の分まで、食事を出します。これは後でわかったのですが、ブリザードが来た時に、とにかく一番近い家に逃げ込まないと死んでしまうから、ということなんです。ブリザードが収まらなければ、時には半年近くも他人の家の中で過ごさなければなりません。だから、イヌイットの人達にとっては、それが生きる術で、魚が採れると、家族であろうとなかろうと関係なく分ける。もう、皆が家族で、他人が他人ではないんですね。
 これは、平和で自然に恵まれた緯度に住んでいる私達日本人の価値観では、分からなかった。世界の人達は全く違う価値観で生きている。それは、自然が違うからなんですね。
 そう考えると、倫理法人会は非常に日本的だと思いますし、また日本的であるべきだと思います。日本の自然、伝統文化、精神をいかに大事にしていくか。
 西洋文明が世界を覆っているけれど、せいぜい100年ですよね。まだ、両親や祖父母が持っていた、日本人の伝統文化や精神が宿ったDNAを、私達はちゃんと受け継いでいるはずです。倫理法人会は、そういったものを呼び起こす場なのかもしれないですね。
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